メニュー

幻の声が聞こえる

実在しない声や音が聞こえてしまう症状。幻聴。

症状

多くの場合、ご本人は声が幻とは思わず実際に存在していると信じています。妄想(ありえないことを本人が根拠なく確信してしまう)を伴うこともしばしばあります。

思春期など若年発症の場合は症状を長期間放置するのは特によくありません。幻聴などが出現する統合失調症は、適切な薬物療法を行わない未治療期間が何年も続くと、意欲低下、感情の平坦化や社会生活能力の低下などが将来出現する可能性がより高まってしまいます。

高齢になって出現する幻聴は、以前は珍しいとされていましたが、予想外に多いことが明らかにされつつあります。高齢者の幻聴は認知症やせん妄に伴って出現することもありますが、幻聴や妄想は活発なのに生活機能が比較的保たれているタイプもあります。後者のタイプ(遅発性統合失調症、妄想性障害など)は近年注目されており、学会等で議論が進められています。

診断と治療

統合失調症に伴う幻聴が有名で、抗精神病薬が治療に有効です。しかしその他の精神疾患でも幻聴が出現することはあります。幻聴が出現している期間は診断の参考になります。声が現実には存在しないことを本人が把握しているかしていないかで、診断や治療方針が変わります。幻の声が出現した年齢によっても診断や治療方針が変わりうります。
なお幻の声の内容が本人への命令であり、本人がその命令に従う場合は、本人や周囲への安全確保のためにも薬物治療も含めた早急な対応が必要となります。

このような場合は

多くの場合、ご本人は声が幻とは思わず実際に存在していると信じています。そのため幻の声があるので医療機関を受診したいと本人が希望することは通常ありません。家族など周囲の方が本人の症状に気付いてあげ、受診を勧める必要があります。(例えばもし不眠もある場合は、本人に伝える精神科受診の理由を幻の声ではなく不眠の相談とすることでうまくいくこともあります)そして通院と服薬が習慣化されるまで、ご家族の様々なご協力が必要となります。はじめは難しい診療になるかもしれませんが、一緒に考えていきましょう。

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME