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自分が認知症になりつつあるかも

自分が認知症である可能性を心配されている方は多いです。早期の診断が必要な、新しい治療(アルツハイマー病の疾患修飾薬)も登場しました。その一方、過剰な心配は脳機能にとっても好ましくありませんし、日々の生活も楽しくなくなります。しかしながら現代の医学にとっても、ごく初期の物忘れの診断は簡単ではありません。個々の症状やご希望に合った合理的な診療や相談が行われ、その状況に応じた合理的な検査や治療が提供されるのが理想です。

診断と治療

良性のうっかり忘れと病的な物忘れの鑑別の方法を、これまで多くの専門家が述べ、様々な診療ガイドラインも示してきました。しかしながら、ごく初期の物忘れについては、この長年強調されてきた鑑別方法の再考が求められています。例えばアルツハイマー病の場合、認知症を発症する20年前からアルツハイマー病の脳病理(アミロイド病理)が出現することがわかりました。本人自身が物忘れを自覚している場合は、アルツハイマー病の可能性はとても低いとかつて言われていました。しかし、アルツハイマー病の脳病理は出現しているが、臨床症状は認知症の基準を満たしていないだけでなく発症よりずっと以前の段階では、本人が物忘れを自覚することがとても多いことが近年わかってきました。さらに本人が認知症を心配している場合は、認知症ではなくうつ病の場合がほとんどであるとかつて考えられていました。しかしながら認知症の基準を満たすよりずっと前の状態では抑うつ症状が出現することが予想以上に多いこともわかってきています。一方、検査技術は進歩しており、認知症の症状の基準を満たさない段階から有用な情報を提供することが技術的に可能になりつつあります。またアルツハイマー病の原因(または病態促進)物質であるアミロイドβ(Aβ)蛋白を強力に除去する治療法が登場しました。この治療を行うためには、従来よりも正確かつ早期の診断が重要になります。

当院では

ごく初期の物忘れについては、より丁寧な診察と経過観察がより大切になってきます。鑑別方法については専門医の間でも議論が改めて行われているところです。物忘れの状況を、現状で把握するだけでなく、1年前や2年前はどうであったか、現状と比較してどう変わったかという情報がごく初期の鑑別では極めて重要になると、当院では考えています。

現役時代の生活状況、物忘れについて2年前、1年前と現在の状況をA4用紙1枚以下で時系列でまとめていただけると、初診時とても役立つと思います。

このような場合は

認知症の基準を満たさない、ごく初期の物忘れの自覚に対して、どこまで医療が関与すべきか多くの議論があるところです。大前提として、本人や家族の状況や医療機関からの説明が、本人に対し心配が心配を生まないよう気を付けないといけません。一方、自分の脳の健康状態を把握し、自分らしい人生を過ごしたいと希望される方もいらっしゃいます。さらには2023年末から保険診療が可能になったアルツハイマー病の疾患修飾薬は、認知症の診断基準を満たすよりずっと前段階から投与開始したほうが治療効果は高いと考えられています。誤解を恐れず単純化して述べますと、診察、検査や点滴治療の負担が許容でき、治療方針や副作用リスクをしっかり理解でき、健康への関心度が高い方によりむいている診療にみえます。

話は少しずれますが、血液バイオマーカーを含んだ新しい認知症検査が近年登場しています。臨床現場でまだ使えない理由として、医療コスト増大や、都市部と地方の医療格差の拡大の懸念などがあります。重要だがメディアではほとんど議論されない理由として、検査結果の適切な解釈が多くの専門医にとってまだ難しいこと、検査結果の正しい共有が医師と患者さんの間で簡単ではないこと、が挙げられています。

当院が所在する山田駅周辺や北摂地域は健康への関心が高く、医療についてしっかりとした理解を希望する方が多い地域と聞いております。当院院長は米国UCLAや阪大病院でアルツハイマー病などの診断法や治療法に関する研究を、優秀な国内外の共同研究者とともに長年すすめてきました。(診察時間に限りはありますが)気軽な相談から最新の医療まで、必要に応じて皆様とご相談ができれば思っております。健康意識の高い地域の皆様に少しでも貢献したいと思っております。

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